マイカーローン完済以後の所有権留保の解除方法

車のローン、完済したのに自分の車になってない?!手続きをおこなわなければ、所有権はないのです。

車を購入する際のローンについて

車を購入する際にローンを利用することはよくあります。マイカーローンと呼ばれており、車の購入費用を金融機関やディーラーや信販会社などで貸し付けてもらうことができる、車の購入に特化したローンです。車を購入する際の借入では、申し込みから始まり、必要書類の提出、審査、契約手続き、などの流れがあります。

銀行系ローン

銀行からの融資で、銀行によって、自動車ローンやマイカーローン、オートローンといったように名称に違いがあります。銀行系ローンのメリットは、ローン利率が1~3%と低めに設定されていること、そして、銀行からはお金を借りるだけなので自動車の名義を自分にできることです。

信販系ローン

自動車販売店と提携する信販会社と提携したローンを信販系ローンといいます。銀行系ローンと比較すると審査が通りやすいといったメリットがありますが、ローン利率が高めに設定されています。

ディーラーローン

トヨタファイナンスや日産フィナンシャルなど自動車メーカーのローン子会社と提携したローンをディーラーローンといいます。車を購入しに販売店に向かったその場で手続きができる手軽さが魅力です。またディーラーローンには2種類あります。

フルローン

ローンで車の代金を全額借入れて、契約月数で分割して返済する方法です。フルローンは残価設定ローンよりも金利が高い傾向がありますが、ローンを返済し終われば、車は自分のものになります。

残価設定ローン

借入期間に相当する数年後の残価を最終回の返済に据え置いて、残りの金額を分割して返済する方法です。フルローンよりも金利が低い傾向がありますが、残価を含む車両価格全体に金利がかかります。また、最終回の返済時には、ディーラーに車を渡して残価を精算する、残価を一括で返済して買い取る、残価を再度ローンを組んで分割で返済しながら買い取るという3つの選択肢から選ぶことになります。

車の所有権について

上記の車のローンについての記述にもあったように、車が自分のものになるという点、実は注意が必要です。

車の所有権とは、車をローンで購入した際にその所有権が誰にあるのかということです。銀行系ローンの場合、銀行から借りているのはお金だけであり車自体は関係ないため、ローンを完済しておらず、返済中でも車の所有権は車の購入者にあります。

一方で、信販系ローンやディーラーローンでは、ローンの支払いが完了するまでは金融機関やディーラーなどが一時的に所有権を持っており、名義もそれに応じて登録されます。

ローンを完済後、ようやく車が自分のものになるという解釈をしている人が多いかと思いますが、実はそこには落とし穴があるので注意が必要です。

車の所有権解除とは

ローンを利用して車を購入した際、ローン完済後に車の所有権を正式に購入者に移す手続きのことを指します。ローンで車を購入していた場合、車の名義人は借入先会社となっているため、完済後に自分で名義変更を行う必要があるのです。

つまりローンを完済したからといって自動的に車の所有権が購入者に変わるということではなく、車の所有権解除の手続きをおこなわなければ、所有権留保のまま車の名義は借入先会社となってしまうのです。

所有権解除が必要になる理由

車をローンで購入する際、多くの場合、銀行系ローン以外では車の所有権を担保として持ちます。これは、ローン未払い時に金融機関が車を差し押さえるなどの手続きを行うための保険として機能しています。そのため、ローンを完済した場合には所有権を正式に自分名義にするための「所有権解除」が必要となります。

ローン会社より支払い完了の通知が来たので、すっかり自分の車になったと思ってしまうこともありますが、実は所有権解除の手続きはまだなにも進んでいません。

ローンの支払いが終わったとしても、車検証がそれに合わせて自動的に切り替わることはありません。所有権解除の手続きをしない限りは、いつまでも車検証上の所有者は、ローン会社ということになってしまいます。車の所有権についてディーラーに確認したところ「売るときに必要なだけ」と言われる場合があるようです。

所有権解除の手続きをせず、所有者がディーラーのままの場合、車の売却や廃車などの手続きが制限される可能性があるのです。また所有権解除には時間がかかる場合があるため、早めに手続きを行うことが推奨されます。

所有権解除の流れ

ローンを完済後の所有権解除の流れを解説します。

ローンの完済

まず、ローンの全額返済が必要です。

金融機関・ディーラーへの連絡

ローン完済後、金融機関やディーラーに所有権解除の手続きを依頼します。

必要書類の提出

必要な書類は、車検証(車の登録証明書)、印鑑証明書、委任状(自分以外がおこなう場合)、所有権留保解除の承諾書(自分でおこなう場合)、自動車税(種別割)納税証明書完済証明書(ローンが完済された証明)、などです。不明な点は、ディーラーに確認しましょう。

必要書類を揃えたら、ディーラーに送付します。現所有者側にて確認が終わると、譲渡証明書(旧所有者が実印を押したもの)、所有権解除書類引換書などが発行・郵送されます。届くのを待ちましょう。

陸運局での手続き

自分で用意した書類とディーラーからの書類をもって自分の居住地域の管轄にある陸運支局に行き、所有権解除の手続きを行います。自分で陸運支局に出向いて手続きすることもできますが、費用を払えばディーラーなど業者に依頼することもできます。移転登録の申請書や手数料納付書は運輸支局の窓口で配布しているため、事前に用意する必要はありません。申請書を記入して登録手数料を納入し、必要な手続きを進めれば所有者名義が変更された新しい車検証が交付されます。

新しい車検証の発行

最終的に新しい車検証が発行され、自分の名義に書き換えられます。新しい車検証を受け取ったら記載事項に間違いがないことを確認し、問題なければ移転登録の手続きは完了です。運輸支局での手続きで所有権留保が解除した後は、一般的な中古車売買と同じ方法で車両を売却することができるようになります。

まとめ

車の所有権留保の解除をおこなわなければ、ローンを完済していても所有権はディーラーのままです。所有権留保の解除に必要な書類は不備のないようきちんとそろえてから手続きを進めましょう。状況によって提出書類に違いがあるため、不安な場合は事前に運輸支局に確認しておくと良いでしょう。