タイヤの交換時期の見分け方

タイヤは車の唯一の接地面であり、その状態が直接的に車両の安全性や性能に関わります。劣化したタイヤを使い続けたり、交換を怠ると、トラブルのリスクが大幅にあがり、結果的に大きな事故や高額な修理費用を招く可能性があります。適切なタイミングでの交換を心掛けましょう。

タイヤの寿命

タイヤの寿命は、一般的に4~5年ほどといわれています。使用年数と走行距離、使用状況や運転方法、保管方法などによって異なります。

タイヤの寿命の目安

使用年数

タイヤは走行していなくても、ゴムが劣化して性能が低下します。特に直射日光や高温多湿な環境で保管されると劣化が早まります。

走行距離

3万~5万kmが交換の目安とされていますが、タイヤの種類や運転スタイルによっても異なります。また高速走行や急ブレーキが多い場合は摩耗が早まる傾向があります。エコタイヤや硬めのタイヤは寿命が長いといわれています。

環境や使用条件が与える影響

温度と湿度
高温多湿な地域では、タイヤの劣化が早まります。

保管方法
使用していないタイヤでも、直射日光や雨ざらしで保管すると劣化が進みます。適切な保管方法が寿命を延ばします。

運転スタイル
急発進や急ブレーキが多いと摩耗が早まります。

道路環境
荒れた路面や未舗装の道路を多く走行する場合、タイヤの寿命が短くなります。

製造年の確認方法

製造から5年以上経過したタイヤは性能が低下している可能性が高いです。タイヤの側面に記載されている「製造年週コード」(例 : 2822 → 2022年の28週目)を確認します。

タイヤの寿命を延ばすには、定期点検や空気圧の調整、急発進や急加速などの運転を避けるなど、日頃のメンテナンスが大切です。

タイヤ交換の必要性と寿命を迎えたタイヤのリスク

タイヤはゴム製であり、気温や外的要因などで、固くなってしまったり、ひび割れたりすることがあります。また、走行中に道路との摩擦で削れてしまうため、つるつるのタイヤになってしまうとさまざまな事故やトラブルを発生させる危険があります。そのような寿命を迎えたタイヤで走行を続けるリスクにはどのようなものがあるのかを知っておきましょう。

制動距離の増加

摩耗が進むとグリップ力が低下し、ブレーキが効きにくくなります。スリップの危険性が高まります。

パンクやバーストの危険性

紫外線やオゾンによる酸化、タイヤに含まれる油分の抜け、年数の経過、 不適切な保管などによるゴムの劣化によりタイヤが割れたり、硬くなったりすると突然のバーストやパンクなどが発生するリスクが高まります。

燃費、快適性の悪化

劣化したタイヤは転がり抵抗が増え、走行にさまざまなムダが生まれてしまうため、燃費も低下してしまいます。硬くなってしまったタイヤは振動や衝撃を吸収しづらいため、乗り心地も悪くなってしまいます。

タイヤ交換時期の見分け方

タイヤの交換は、車を安全に運転するために必要なことです。一般的なタイヤの寿命は5年前後と考えられていますが、使用状況や地域の気候、環境などに大きく左右されるものです。タイヤ劣化のサインを見逃すことなく適切なタイミングで交換できるように、タイヤの交換時期の目安や見分け方を紹介します。

寿命を判断するポイント

タイヤの溝(残溝)やスリップサインが出たとき

タイヤの溝の深さは新品で約8mmあり、走行距離約5,000kmで約1mm摩耗します。タイヤの溝が1.6mm以下になると、スリップサインが現れます。この状態では法律上も危険な状態で、交換が必要です。タイヤの側面にある三角マークの延長線上で確認でき、タイヤのトレッド面全周の4~9カ所に設置されています。

スリップサインが出たタイヤは、道路交通法で装着・使用が禁止されており、整備不良車両となります。また、車検の基準を満たさず車検に通ることができないため、スリップサインが出た場合は直ちに交換する必要があります。

ゴムの状態

ひび割れや灰色や白っぽくなるような変色が見られる場合、ゴムが劣化して寿命を迎えています。経年劣化によりゴムの油分が抜けて柔軟性が失われ、表面が硬くなったり、ひび割れが発生したりします。これはタイヤのグリップ力が低下し、ブレーキやハンドリングに影響が出ることになり、安全な走行が困難となる可能性があります。

劣化や摩耗の不均一さ

偏摩耗や片側だけの摩耗は、車両の整備不良やアライメントのずれなども関係しています。アライメントとは車体に対してタイヤやホイールが取り付けられている角度や位置関係のことで、正式には「ホイールアライメント」と呼ばれます。アライメント調整では、専用の機器であるホイールアライメントテスターを使用して、タイヤの角度を測定し、適正な位置に調整します。異常があれば交換を検討してください。

季節タイヤの交換

スタッドレスタイヤは、摩耗によって溝が減ると、雪道での性能が大幅に低下します。プラットフォーム(スタッドレスタイヤ特有の摩耗サイン)が露出してきたら交換時期です。

製造から5年以上経過したタイヤや使用期間

通常、約3万~5万kmを目安に交換が推奨されます。長距離を走行する場合、摩耗が早く進むため、早めにチェックしてください。また製造から5年が経過しているタイヤは状態をよく確認し、使用可能かどうかの判断をおこない異常がある場合には交換をおすすめします。

まとめ

タイヤの交換時期の見分け方によって、自分でのチェックはもちろんのこと、正確に判断するためには、専門店での点検を受けることをおすすめします。定期的な点検を行い、必要に応じて早めに交換することが重要です。